子供時代と大人になってからで読みたい本
子供時代に読書をよくしていた人ならば、一度は読んだことがあるのではないかと思うのがこの「赤毛のアン」です。
「赤毛のアン」はカナダの作家であるL.M.モンゴメリによって書かれた世界的に有名な長編小説です。
日本でもかなりコアなファンな方も多く、記憶に新しいところでは2014年の上半期のNHKドラマである「花子とアン」ではその翻訳を手がけた村岡花子さんの半生が描かれました。
「赤毛のアン」がここまで日本で有名になったのはもちろんドラマで紹介されたような激しい人生を生きながら大好きな作品を翻訳した村岡花子さんの功績であることは言うまでもありませんが、それ以上に原書である小説のクオリティが他に類を見ないほど素晴らしいものであったということにほかなりません。
私自身も初めて赤毛のアンを読んだ小学生時代からずっとこの作品が好きで、大人になった今になってもたびたび読み返しては勇気をもらっています。
私の知り合いの保育関係の仕事をされている人の中にもこの「赤毛のアン」が大好きで、いつか自分の子供や保育をした子供たちに薦めたいというふうに思っている人もたくさん見られます。
世代を超えていつの時代も心に残り続けるこの作品を、保育関係の仕事をされている人だけでなくもっと多くの人に知ってもらいたいと思っています。
「赤毛のアン」のあらすじ
赤毛のアンの魅力を語る前に未読の方のためにざっとあらすじの説明をしていきます。
舞台となっているのは作者であるモンゴメリの故郷でもあるカナダの、プリンスエドワード島アボンリーという場所です。
そこには「グリーンゲイブルズ」という呼ばれる家があり、中ではマシューとマリラという人嫌いな兄妹の老人二人が住んでいます。
そこで高齢になった二人が孤児院から手伝いのために男の子を引き取ろうとしたところ、手違いから女の子のアンが里子に出されることになってしまいます。
最初はこの老兄妹との関係に戸惑うこともありつつも、やがてアンは学校に行き勉強を重ねていくことで進学し教員の資格をとるまでになります。
さらに奨学金を受けてカナダ本土の学校に進学することが決まっていたのですが、突然に兄のマシューがなくなり、マリラも失明の危機となってしまいます。
そこで結局アンは進学を諦め、マリラのそばでずっとグリーンゲイブルズで暮らすことを選択します。
学校では成績をトップ争いしつつケンカをしながら気持ちを通わせていたギルバートがいるのですが、そんなアンの状況の話を聞いて自分から学校教師を降りてアンにその職を譲ります。
その後教師になってからのアンの話など続編もありますが、本編はここまでとなっています。
「赤毛のアン」の魅力とは
「赤毛のアン」は私を含めて世界中に数多くの読者がいますが、そのファンたちが揃って好きだと言うのが主人公アンの持つ前向きさです。
アンは孤児院で育ち、人付き合いの苦手な老兄妹に引き取られるという非常に不遇な生い立ちを持ってはいるものの、決してその環境に対して不満を漏らすことがなく逆に小さなことに感動をしては幸せを感じていくという強い心を持っています。
最初はアンのことをばかにしたり見下したりしていたような周囲の人たちも、次第にアンの明るさに引き込まれいつしかアンともっと親しくなりたいという気持ちを持つようになっていきます。
そうしたことを描写するときに使われているセリフなどがまた大変に素晴らしく、そこだけを読んでも心が震えるような勇気を与えてもらえる気がします。
赤毛のアンの本編に登場する名言は数え切れないくらいにあるので一つだけを紹介するのは難しいのでぜひ全部読んでもらいたいです。
子供時代読んだときには女の子ならアンに共感しては一緒に生活をしているような気分になりますが、大人になってからまた読むと今度は幼い子供の純真さや強さをあらためて考えなおさせてくれます。
私にとっては何度も読み返したい一生もののお気に入りの本の一つです。