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児童書「星の王子さま」

有名人のファンも多い作品

「星の王子さま」は日本のアニメの巨匠、宮﨑駿も憧れた国内でも大人気の児童書です。

2015年冬には「リトルプリンス」としてマーク・オズボーンによるアニメ映画の公開が決定していますが、これも世界中にその内容に魅せられた人がいかに多いからということでしょう。

「星の王子さま」の作者はフランスのサン=テグジュペリで、日本ではその生誕100年を祝って箱根に「星の王子さまミュージアム」が作られるほどに知られています。

豆知識ですがこの「星の王子さまミュージアム」は世界でも初めて作られたものであるとのことで、1999年のオープン以来、たくさんのファンが詰めかける場所となっています。

ミュージアムでは星の王子さま本編の描写を思わせるようなたくさんの木々が置かれており、季節の流れを感じながら名言の一つ一つを思い出していくことができるようになっています。

「星の王子さま」を読んだことがある人もない人も、そこにいくとすぐに独特の雰囲気に包まれてゆったりと時間を過ごすことができるようになるので、未読という人もぜひ一度行ってみることをおすすめします。

「星の王子さま」のあらすじと魅力

「星の王子さま」という物語では、主人公は王子様の方ではなく飛行機の操縦士の「ぼく」です。

物語は全編この「ぼく」と王子様との会話と冒険で綴られるようになっていて、途中に見かける自然の景色を二人で見ながら、時に示唆に富んだ内容のセリフを残していきます。

「ぼく」は物語の最初にサハラ砂漠に不時着をしてしまうのですが、同様に王子様もその土地の人ではなくいくつかの惑星を旅をしている途中に出会った人であったりします。

王子様は「ぼく」に対してそれまで旅をしてきた惑星で出会った人たちや動物たちの話をしていくのですが、その内容の1つずつが童話のように奥に深い意味を含んだ内容になっています。

途中で登場する大人たちは見栄っ張りであったり、意味のない仕事を続けていたりというような愚かな様子を見せていたりしますが、それらをある意味冷ややかに見ながら王子様は通りすぎていきます。

話で最も盛り上がる箇所といえばやはりキツネとの「仲良くなる」ということについての話で、最終的に「大切なものは、目に見えない」という秘密を打ち明けられるという結論を得ます。

お話そのものは一つのストーリーとして主軸があるというよりも、「ぼく」が砂漠で遭難したときに王子様から聞いた話という伝聞によって構成されていますが、読み終わったあとにはなんとも不思議な読後感が残ります。

児童書としてはかなり哲学的な内容も多く、小学生くらいではなかなか理解がしづらいものではあるのですが、この本も年齢を重ねて読み返すことでようやく本当に意味していたことが何かを理解することができるようになるというとても素晴らしいものです。

読書にかなり慣れた子供でないと難しいとは思いますが、そこをぐっとこらえてぜひ最後まで読んでもらいたい作品です。

何度読んでも発見がある本

大人になってから周囲の人に話を聞いてみると、意外にも「星の王子さま」という本の名前は知っていても実際に読んだことはないという人が多いことがわかります。

もちろん好きな人はとことん読み込んでいたりもするのですが、他の児童書と同じくらいに知名度があるのにそんなに読まれていないということが不思議な本であるとも言えます。

勝手な想像ですが「星の王子さま」というタイトルがまるでもっとキラキラしたわかりやすいお話をイメージさせるのに対し、実際には地味な描写が淡々と続くということがあまり読書慣れしていない人に伝わりにくい部分になっているのではないかと思います。

子供のうちにぜひ一度触れてもらいたい本ではありますが、大人になってから読んでも十分にその魅力は伝わります。

保育の仕事に就きたいと思っている人なら、一度は目を通してみることを強くおすすめします。