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両親

保護者とのコミュニケーション

難しいケースも多い保護者との関係

保育の仕事をしていくとき、最大の難関ともなりえるのが保護者とのコミュニケーションです。

保育園やその他の保育施設に勤務をして子供の担当・担任になった場合には、必ず定期的に保護者と面談をするとともに、随時意見や相談を受け付けていくことになります。

そうした保護者とのコミュニケーションにおいては、なかなかお互いの教育観が合わないこともよくあり、時に激しい衝突を生んでしまうこともあります。

保育士として長年勤務をしてきた人の意見を聞いても「最近特に保護者との関係を築くのが難しくなってきている」というようなこともよく言われており、今後も保育士にとっては大きな課題として残っていくことが考えられます。

しかしそのように書くとまるで保育士には全く問題がないのに保護者ばかりモンスター化しているかのような印象になってしまうので公平な見方とは言えません。

保育士の側も十年一日の保護者対応ではなく、その時期時代に沿った教育方法に順応していくことが必要です。

そのためにも実際に勤務をする前から「保護者からの応対をするのは嫌だな」というような苦手意識を持つことをやめ、相手を尊重しながら話を聞いていくような体制を作っていくことが大切になってきます。

近すぎることもまた問題です

保護者とのコミュニケーションでしばしば問題として取り上げられるのがモンスターペアレントと呼ばれるような、自分の子供だけを特別扱いするように無理な要望を押し付けてくる保護者の存在です。

都市伝説のように言われていることとして「お遊戯会で自分の子供を主役にしてほしい」「運動会で一位を取れないのはかわいそうだから絶対にとれるように工夫してほしい」というようなことを言い出す親や、保育園内で言うことをきかない子供に対して注意をしたら逆ギレをされたというようなケースがあります。

さすがにそこまでむちゃくちゃな親というのはそうそう見かけませんが、やはり親ですから自分の子供が不当に扱われていると感じるときには一言言いたくなってしまうようです。

もしそうした自分の子供に対する意見が来たなら、まずはどんなことでも感情的にならず落着いて話を聞き、冷静な立場から話をしていくように努めます。

反対に最近問題になってきているのが、保育士さんに過剰に仲良くしたがる親です。

これは20代の若い男性保育士さんが増えてきたことも関係しているようですが、女性同士であっても個人的に携帯のアドレスを交換したいと申し出てきたり、休日などプライベートなシーンにも踏込んでこようとする人も増えていると聞きます。

これは子育てをする環境に他に頼る人存在がいないため、親身になって相談に乗ってくれる保育士さんに依存をしたいという意識からの行動のようです。

親身になって保護者の話を聞くということはもちろん大切な保育士としての義務ではありますが、あまりにも特定の人に感情移入をしてしまうと他の保護者から反感を買ってしまったり、そんなつもりはなくても「えこひいき」として見られてしまうこともあります。

保護者との距離感は近すぎず遠すぎず、せめて担任として子供を持っているときには入れ込みすぎが起きないようにきちんと線引をするように心がけていきたいところです。

自分一人だけで抱え込まないこと

どんなに気をつけていても、それでも起こってしまうのが保護者とのトラブルです。

最近では両親として子供を預ける親世代にもかなりの高学歴の方も多く、現場あがりの叩き上げの保育士さんをあからさまに見下したような態度をしてくることもあったりします。

そうした保護者の方は保育士や園からの提案よりも自分の方が絶対に正しいというような思い込みを持っていることもよくあり、話し合いをしてもかえって言い負かされてしまうようなこともあるようです。

どんな保育園や施設に勤務するとしても、大抵の場所には一人二人非常に扱いづらい保護者の方というものはいるものです。

そこで有効な対策となるのが、何かクレームや意見を申し出られた時に自分一人だけで解決をしようとせず、できるだけ自分の上司や施設の責任者に話を通すようにするということです。

問題が起きたときなどは話が大きくならないようにとついついこっそりと処理をしたいと思うのが人情ですが、こと人と人との関係になるとそうした隠蔽がむしろ水面下で話を大きくしてしまうこともよくあります。

そのためには園内・施設内での報告体制をしっかりと整備するとともに、同僚となる保育士の方と連携して一人にだけ集中攻撃がされないようなバックアップ体制を作ることが有効な対応策となります。